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黒と茶の幻想

20070216恩田陸氏の「黒と茶の幻想」を読んだ。大学時代の友人である男女4人が、ちょうど自分と同じくらいの年齢になって、4泊5日の屋久島の旅に出る話。

それぞれ家庭を持ち、社会人である。屋久島の旅といっても、学生の最後に自分がしたように、山中に野営しながら縦走するわけではない。リゾートホテルを拠点にして中3日の日帰りの山歩きである。そこで何か事件が発生したり、奇妙な体験をするわけでもないし、会話するだけである。

そこで彼らは、自分の過去を見つめ直す。当時は無意識の内に避けてきた問題や、トラウマになっていた事。4つの章はそれぞれ4人の視点からみた物語になっている。4人の心理的駆け引きが読みどころだろう。4人の会話とそれぞれの思いが800ページ近い本の大部分を占める。

幼馴染みや高校、大学の友人たちは、家庭内や職場では味わえないような、気心知れた会話を楽しむことができるが、当時はなかなか聞けなかったり、わからなかったり、もどかしく思ったりしたこともあっただろう。20年近い年数を経て、友人たちとの会話の中で、客観的に自分を見つめなおすことができれば、その隔絶された島旅も心に残る旅になることだろう。そんな友人がいたらなと思う。

恩田作品は初めてであったが、長編でも読みやすく、登場人物の心理描写も楽しめた。他のも読んでみたい気分に駆られた作品であった。
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