This Category : こもれびの読書

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みぞれ

20080922重松清著「みぞれ」を読んだ。この短編集も期待を裏切らない秀逸なものだった。中でも「ひとしずく」が一番かなぁ。柄にもなく、妻の誕生日のお祝いを計画した夫だったが、思わぬ珍騒動で計画がハチャメチャになった。しかし結果的にささやかなお祝いになって、心温まるエンディングとなった。重松氏は最近次々に小説を送り出しているが、早く文庫本になって欲しい。

競馬の方は秋のトライアルシーズン。昨日の秋華賞トライアル、ローズSは、マイネレーツェルが勝利。春のクラシックは不発だったが、レジネッタとトールポピーに勝利。馬場が悪かったが、良馬場で距離が伸びても本番行けそうな勢いだった。ムードインディゴも差はない。ローズSは秋華賞にもろ直結するレースなので、やはり上位馬には注目だろう。対してセントライト記念は、落馬のアクシデントもあったが、伏兵のダイワワイルドボアが勝利。牡馬は混沌としている。来週の神戸新聞杯でディープスカイが始動。果たして抜けた存在なのか。
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ゴールデンスランバー

200804262本屋大賞No.1に選ばれた、伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」を読んだ。

首相暗殺の濡れ衣を着せられた主人公が必死で生き抜こうとするストーリーを面白おかしく描いてあるが、マスコミの偏った報道、それを鵜呑みにする視聴者、得体の知れない国家組織によって操られた警察、個人情報が全て管理された社会・・と、現実でも起こりうる恐怖を描いた小説でもある。

久々の伊坂節を味わった。しかし以前のように、もっと読み続けていたくなるような読後感、小気味よい展開や登場人物どうしの掛け合い、エッシャーのだまし絵に例えられるように、いくつも張られた伏線が最後にパズルのように1つにつながった時の感動などは薄れた。ライトな感じのストーリーに少し飽きたのだろうか。独断で選ぶ伊坂氏のNo1.は「重力ピエロ」、それから「死神の精度」、「魔王」、「アヒルと鴨のコインロッカー」・・と続く。
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カシオペアの丘で(上)(下)

200804211重松清著「カシオペアの丘で(上)(下)」を読んだ。本屋さんが選ぶ本No.1に選ばれ、大泣きするかもと期待して読んだだけに、拍子抜けした。重松氏の短編集「卒業」を読んだ直後で、テーマは家族や友人の死、許す・許される関係など、「卒業」がそのまま長編になった感じ。でも内容は盛りだくさんでいて、少し間延びした感じを受ける。「流星ワゴン」も感動はするが、やはり間延びした感は否めなかった。重松氏の作品は短編に限る。

物語のような幼なじみの仲間は羨ましくも思うが、炭鉱事故に絡む負い目、学生時代の付き合いなど、狭い輪の中で少し息苦しいくらいクドい内容。著者お馴染みのメリーゴーラウンドもやや食傷気味。章ごとに登場人物の視点が変わるのはよかったかも。39歳で癌と診断されて、不自然なくらい末期を引っ張ったせいか、残された時間を家族や仲間とどう過ごすのか、自分に置き換えて考えされられた点はよかった。

追伸:本屋大賞10位の間違いでした。
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卒業

20080407重松清の「卒業」を読んだ。100ページ前後の短編4話。親や友人の死をどう受け止め、乗り越えていくかというテーマ。このタイトルの「卒業」とは、”身近な人の死をようやく受け入れることができた時”と言い換えてもいいと思う。

著者があとがきでこう述べている。思い出を持たない「卒業」は寂しい。それには物語の中に、長い年月を生きてきたという厚みを練りこむ必要がある。許す・許されるという構図を持たせる。始まりを感じさせる終わりを描く。最初から著者が意図した目論見もあるし、4編が1冊になってから気付いた構図もあったという。そういう視点で読み返すともっといいかも知れない。

個人的には最後の「追伸」が一番泣けた。この本はAmazonのレヴューでも多くの読者の好評を得ているようだ。読後、親子・家族を見つめなおし、温かな気持ちにさせてくれる物語を、これだけたくさんの短編に描くことのできる作家はそうそういない。
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夜のピクニック

20080328男性作家だと勘違いして読み始めたのがきっかけで、今まで何冊か読んだ恩田陸さんの代表作とも言える「夜ピク」。古本屋で買った単行本。本棚の奥に直し込んでいたのを発見して2日で読んだ。

ある高校では、毎年秋になると、歩行祭という行事が行われていた。修学旅行の代わりに、実際に著者の母校で行われていたそうだ。全校生徒が1晩はさんで80kmの距離を歩破する物語。単調になりがちな題材なのに、よくもその場面場面で参加者の辛さを表現している。

恩田さんの小説に登場する人物は、少女漫画のように美男美女が多く、高校生活みんながそんなわけではないだろうと不条理に思えるところも多々あるが、3年生にとって高校生活最後の行事である歩行祭を通して、各人の心理描写が細かくなされている。

その中でも物語の主軸になるのが、同級生であり異母兄弟である融と貴子。わだかまりのあった2人の関係が、この歩行祭と友人達を通して、打ち解け合えるものになった。歩行祭も終盤、前方ではしゃぐ友人達の背中を見ながら、少し遅れて歩く2人の心が温かさに包まれている場面がよかった。

私自信平凡な高校生活だったけど、もう一度高校の頃に戻れたらなぁと、懐かしい気分になった。卒業して何年、何十年経ってから読んでこその本ではないだろうか。
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はじめ

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